日本語文法とは
文法は、文章を書く時のルール・決まりのことです。日本語の書き方のルールを理解することで、読み手にとってわかりやすい文章を書くことにつなげることができます。
日本語文法の基礎まとめ
日本語文法を学び、日本語を書くうえで押さえておきたいポイントを解説します。
「敬語を正しく使えない人は失礼」「ら抜き言葉は使わない方がよい」など、文法を正しく使ったほうがよりよいことは誰もがわかっていることかと思います。しかし日常生活で日本語を読み書きする際に、そこまで意識している方は少ないのではないでしょうか。
友人や家族が相手の時は文法が間違っていても特に問題はありませんが、誰かに向けて書く文章や、ビジネス向けの会話や文章では、正しい日本語であることが求められます。それは、文法が間違っていることで誤読につながったり、意図を正しく理解してもらえなくなったりするためです。
ポイント1. ことばの「単位」を理解する
日本語の文章は、いくつかの単位に区切ることができます。長い文章のままではどこが間違っているのかが分かりません。文章を小さな単位に分解することで、それぞれの働きや使い方を理解することができます。
ことばの単位
- 文章:いくつもの文が集まっているもの
- 段落:文章をいくつかのまとまりに分けたもの
- 文:まとまった1つの意味があり、句点(。)で終わるもの
- 文節:意味をこわさずに文を区切ったもの
- 単語:ことばとして一番小さな単位
言葉の単位については、別の記事でさらに詳しく解説しています。
句読点とは
「。」が句点(くてん)、「、」が読点(とうてん)、2つあわせて句読点(くとうてん)といいます。
文節の分け方
言葉の単位の中でも、特に意識したいのが文節です。
文節は、意味をこわさずに文を区切ったものです。「ネ」や「ヨ」を入れて不自然にならない位置が文節の区切り目です。名詞・形容詞・動詞など、自立語の前は文節を区切ります。
ポイント2. 文節の種類を理解する
文節の働きには、主語・述語・修飾語・接続語・独立語の5種類があります。
1. 主語
主語とは、文の中で、何が・誰がにあたる文節です。名詞に「は」「が」「も」などの助詞とセットになって主語になっている場合が多くあります。
- 私たちは、お金が足りなかったので2駅先まで歩いた。
- 向こうに見える古い建物は区役所です。
2. 述語
述語とは、文の中で、どうする・どんなだ・なんだ・ある(いる・ない)にあたる文節です。述語は、文末にあることが多く、主語を説明します。
- 森本さんが走る。
- 森本さんは大食いだ。
3. 修飾語
修飾語とは、ほかの文節をくわしく説明する文節です。修飾語によってくわしく説明される文節を被修飾語といいます。
- 母は、赤い車に乗っていた。
- 非常に美しい。
4. 接続語
接続語とは、前後の文や文節をつなぐ働きをする文節です。言い方を変えると、接続の関係とは、接続語がつなぐ文と文の関係のことを言います。
- 急いで歩いた。だから、遅刻しなかった。
- 急いで歩いた。しかし、遅刻した。
5. 独立語
独立語とは、他の文節とは直接関係がない文節のことです。独立語とそれ以外の文節の関係を、独立の関係といいます。
- あら、ここにいたの。
- こんにちは、よい天気ですね。
文節の働きを理解することで、文章を書く際に主語が抜けている、修飾語が長すぎるなどの問題に気がつくことができます。
文節の5つの働き
- 主語:何が・誰がにあたる文節
- 述語:どうする・どんなだにあたる文節
- 修飾語:ほかの文節をくわしく説明する文節
- 接続語:前後の文や文節をつなぐ働きをする文節
- 独立語:他の文節とは直接関係がない文節
ポイント3. 品詞の種類を理解する
文節よりもさらに小さな単位の単語に分けて、自立語か・付属語か・活用があるかないかなどの文法上の性質によって単語を分類したものを品詞と言います。
自立語と付属語とは
- 自立語とは、それだけで意味がわかる言葉です。単独で文節を作ることができ、必ず文節のはじめにあります。
- 付属語とは、自立語のあとについて、それだけでは意味がわからない言葉です。単独で文節を作ることができません。
品詞分類表
日本語の品詞は、動詞・名詞・形容詞などの10種類に分類することができます。
日本語の品詞の一覧
1. 動詞
動詞とは、物事の動作・作用・存在などをあらわす語です。自立語で活用がある用言で、言い切りの形が「う」段で終わるという特徴があります。
- 文字を書く
- 橋を渡る
2. 形容詞
形容詞は性質や状態などの意味をくわしく説明します。自立語で活用がある用言で、言い切りの形が「い」で終わるという特徴があります。
- おもしろい本
- 白い紙
3. 形容動詞
形容動詞は物事の性質や状態をくわしく説明します。自立語で活用がある用言で、言い切りの形が「だ」で終わるという特徴があります。
- 花がきれいだ
- とても静かだ
4. 名詞
名詞は、物事の名称をあらわします。体言ともいいます。名詞は自立語で活用がなく単独で主語になるという特徴があります。
- 家
- 富士山
5. 副詞
副詞は、主に用言を修飾して意味をくわしく説明する語です。自立語で活用がなく、主に連用修飾語になります。
- ゆっくり歩く
- ぶらぶら歩く
6. 連体詞
連体詞は、体言(名詞)を修飾して意味をくわしく説明する語です。自立語で活用がなく、主に連体修飾語になります。
- あの山をみてください
- 大きな山
7. 接続詞
接続詞は、前後の語や文をつなぐ語です。自立語で活用がなく、単独で接続語になります。
「それで」「だから」「しかし」「だが」「また」「そして」「それとも」「または」「つまり」「なぜなら」「ところで」「さて」
8. 感動詞
感動詞は感動・呼びかけ・応答などをあらわします。自立語で活用がない体言で、普通は文頭にある という特徴があります。
「あら」「ああ」「こんにちは」「さようなら」「どっこいしょ」
9. 助詞
助詞は、語に意味を添えたり、語の関係を示す語です。付属語で活用がなく、それだけでは文節を作れません。
「を」「に」「が」「は」「と」「ても」「は」「も」「こそ」
10. 助動詞
助動詞は、用言・体言などに付属して意味をそえる働きがある語です。付属語で活用があるという特徴があります。
「れる」「られる」「せる」「させる」「ない」「そうだ」「らしい」「です」
ポイント4. 敬語を理解する
敬語とは、聞き手や話題の中の人物に敬意をあらわす言葉です。
日本語では立場によって言葉を使い分けます。尊敬語・謙譲語・丁寧語などの敬語を使うことで、相手に対して尊敬の気持ちや丁寧な気持ちをあらわすことができます。
敬語の一覧
尊敬語
尊敬語とは、動作主に対して敬う気持ちをあらわす表現の敬語を意味します。謙譲語
謙譲語とは、へりくだった言い方で相手への敬意をあらわす表現の敬語を意味します。丁寧語
丁寧語とは、丁寧な表現を使って敬意をあらわすの敬語を意味します。
ポイント5. 文の構造を理解する
文章を書く際には、文の構造を意識します。文の構造とは、大きな視点で文を見た時に、どのような種類の構造であるかを分類したものです。単文・重文・複文・重複文かを理解することで、文章を書く際にシンプルに書くことができるようになります。読みやすい文章では、基本的には単文の文章をリズムよく書くことが求められます。
文の構造の一覧
単文
述語が1つの文のことです。重文
単文が2つ以上並列に重なった文のことです。複文
1つの単文の中に単文が組み込まれている文のことです重複文
重文と複文が結合された文です。
まとめ
日本語の文法の基礎や品詞の種類一覧について解説しました。
文法を理解することで、正しい文法で文章を書けるようになり、読み手のストレスを減らし、読みやすい文章を書くことができます。日本語の文章を書く際に文法を学び理解を深めることは、基礎力を高めることにつながります。この記事が日本語文法を勉強するきっかけになり、文法の理解や習熟につながれば幸いです。