受け身の意味
受け身は、他から動作を受けることを意味します。受動態とも言います。主語(人や物)の意志に関係なく、他者から何かをされてしまうことをあらわします。
通常、受け身の意味をあらわす助動詞「れる・られる」を伴って受け身の形になります。
日本語の文法では、主語を使わずに文を表現することが多いため、受動態の文章はとてもよく見られます。
受け身の例
受け身の例は、次のような文です。
人に信頼される。(信頼する+れる)
母に育てられる。(育てる+られる)
彼に憎まれる。(憎む+れる)
先生に褒められた。(褒め+られる)
元々の文と比較すると、誰かに何かされたという時には受け身の形をとったほうが自然なことがわかります。
(誰かが)100年前に横浜赤レンガ倉庫を建てた。
→横浜赤レンガ倉庫は100年前に建てられた。
赤ちゃんが一晩中泣いた。
→赤ちゃんに一晩中泣かれた。(誰かが)私の財布を盗んだ。
→財布を盗まれた。
受け身の文を見分けるポイント
受け身の文章は、人に信頼される、のように、前に「〜に」という受身の動作の主体がくることが多いのが特徴です。また、主語が省略される場合があるということも特徴です。
受け身の文の見分け方
- 人に信頼される、のように、受け身の場合は前に「〜に」という受身の動作の主体がくることが多い。
- 主語が省略される場合がある。
受け身の助動詞「れる」「られる」の活用表
受け身の助動詞「れる」「られる」には活用があります。活用とは前後にくる語によって形が変わることです。
受け身の助動詞「れる」「られる」の活用表
活用の種類 | れる | られる |
---|---|---|
未然形 | れ | られ |
連用形 | れ | られ |
終止形 | れる | られる |
連体形 | れる | られる |
仮定形 | れれ | られれ |
命令形 | れろ、れよ | られろ、られよ |
未然形:〜ないに連なる形 (られない)
連用形:〜た〜ますに連なる形 (られた)
終止形:言い切る形 (られる)
連体形:〜とき (られるとき)
仮定形:〜ばに連なる形 (られれば)
命令形:命令する形(られろ、られよ)
「れる」「られる」の別の意味
「れる」「られる」という助動詞には受け身以外に、文脈によって尊敬・自発・可能という別の意味の場合があります。
受け身の意味だけではないため、使用する際には注意が必要だと覚えておきましょう。
(1) 尊敬の意味
尊敬は、相手の動作を敬うことを意味します。
先生が話される。(話す+れる)
お客様が来られる。(来る+られる)
(2) 自発の意味
自発は、意識しなくても自然とそうなることを意味します。特に、思うや感じるという気持ちをあらわす言葉の時に自発の意味になるケースが多くあります。
思い出される。(思い出す+れる)
遠くにいても君の優しさが感じられる。(感じる+られる)
(3) 可能の意味
可能は、できることを意味します。(英語ではcanにあたります。)可能の意味の時には「〜できる」に置き換えることができます。
簡単に遠くまで投げられる。(投げる+られる)
苦手なものも食べられる。(食べる+られる)
まとめ
受け身について解説しました。ポイントは3つです。
日本語の受け身とは
- 受け身は他から動作を受けることを意味する
- 受け身の場合は前に「〜に」がくることが多い
- 主語が省略されることがある
受け身について理解する際には、文法を理解するとともに、受け身の文章を読んで慣れることで上手に使いこなせるようになります。分からなくなったら文法に戻りながら、練習を積んでいきましょう。