謙譲語とは

謙譲語とは、へりくだった言い方で相手への敬意をあらわす敬語です。

この仕事は私がいたします。(「する」の謙譲語)
資料を拝見しました。(「見る」の謙譲語)
いただいた品は大切に保管してあります。(「もらう」の謙譲語)
お客様との会食の席へ伺う。(「行く」の謙譲語)
明日は一日中会社におります。(「いる」の謙譲語)

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謙譲語と尊敬語の違い

謙譲語も尊敬語も、相手への敬意をあらわす表現です。謙譲語は自分自身をへりくだることによって相対的に相手を高める表現。一方、敬語は相手を高めることによって相手への敬意をあらわす表現です。

謙譲語の種類

謙譲語には、「動詞が変化する形」、「名詞が変化する形」、「形容詞が変化する形」があります。

動詞が変化する形

1. 特別な形。動詞が特別な形に変化することによって、尊敬の意味をあらわします。

謙譲語
行く・来る 参る・伺う
いる おる
食べる・飲む いただく
言う 申す・申し上げる
見る 拝見する
する いたす
知っている 存じている
あげる さしあげる
もらう いただく

2.「お〜する」の形。動詞に接頭語「お」と、接尾語「する」をつけることによって、謙譲の表現をあらわします。和語の動詞は「お」を付け、漢語の動詞は「ご」をつけます。

お伺いする (和語の動詞)
ご確認する (漢語の動詞)

名詞が変化する形

1. 名詞であらわされる人や物を低める形

「わたくし」「せがれ」「家内」「手前」「小」「愚」「拙」「弊」「粗」「ども」「め」

2.動作に関わる名詞に「お」「ご」をつける形

「ご連絡」「お電話」「お伺い」

まぎらわしい謙譲語

動作の受け手が存在しない場合には、謙譲語を用いません。例えば「今日は打ち合わせで東京に参りました。」は、動作の対象がいないため謙譲語ではなく、厳密には丁重語という表現です。丁重語とは、動作の主体を低めて、聞き手への敬意を表す表現です。学校文法ではこの丁重語も、謙譲語として扱われます。一部の動詞の特別な形は、本来の意味での謙譲語にしか使えないものと、丁重語にしか使えないものがあります。

両方で使える 謙譲語専用 丁重語専用
行く・来る 参る 伺う
いる おる
言う 申す 申し上げる
見る 拝見する
もらう いただく
あげる さしあげる

目上の人と話す場合やビジネスでは謙譲語は大切

謙譲語は、動作の主体を低めることによって、動作の受け手に対する敬意を相対的にあらわす表現です。尊敬語と謙譲語の違いを理解し、正しい言い方を身につけましょう。